個人事業主(自営業)のふるさと納税の手続きと限度額を計算する方法

ふるさと納税

フリーランス(個人事業主)として仕事をしているんだけど、利益もそこそこあるのでふるさと納税をしたい。

ふるさと納税サイトの解説はだいたいサラリーマン向けっぽいけど、個人事業主の場合はどうなんだろう。

個人事業主の場合のふるさと納税の手続き、限度額の計算方法の違いなどあれば教えてほしい。

こんな疑問に答えます。

この記事を書いている僕は、税理士をやっていまして、過去に個人事業主の方のふるさと納税のお手伝いをさせていただきました。

この記事では個人事業主としてやっている方でふるさと納税をしたい方のために

  • 個人事業主のふるさと納税の手続きのしかた
  • 個人事業主のふるさと納税の限度額の計算方法

を解説します。

手続きとしては確定申告が必要で、ワンストップ特例は使えないという点に注意です。

限度額の計算方法としては、事業の利益見込みに基づいて計算する必要があります。

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個人事業主(自営業)でもふるさと納税は使えます

そもそものところですが、個人事業主(自営業)であってもふるさと納税は使えます。

ふるさと納税サイトの限度額シミュレーションは給与収入しか対応していなくて使えないのかなと思うかもしれませんが、そんな事はありません。

ふるさと納税は所得税・住民税の寄附金控除を使った仕組みなので個人の方であれば誰でも使えます

個人事業主(自営業)のふるさと納税限度額の計算方法

ふるさと納税サイトの限度額シミュレーションは給与収入しか対応していないので個人事業主の場合のふるさと納税限度額の計算方法を教えてほしい。

こんなことでお困りではありませんか。

限度額の目安を計算する方法を説明します。

実際の仕組みは結構複雑なのですが下記の計算式に当てはめれば、ほぼ正確に計算できます。

限度額=(住民税所得割額×0.2)÷{(90%-所得税率×1.021)÷100%}+2,000円

この算式でややこしいのは「住民税所得割額」と「所得税率」ですよね。

住民税所得割額

住民税所得割額とは、所得(儲け)に対してかかる住民税です。

この住民税所得割額の計算方法はざっくり言うと下記のとおり。

住民税所得割額=(所得ー所得控除)×10%

計算の仕組みはほとんど所得税と同じで、大きく違うのは税率が所得税は超過累進税率になっているのに対して、住民税は一律10%であることです。

細かな違いとしては生命保険料控除の上限が違うことであったり、基礎控除が5万円少ないことであったりいろいろとあるのですが、とりあえずの目安を計算するにはいったん所得税と同じように課税標準まで計算して10%をかけるといいでしょう。

所得税率

所得税率は下記のテーブルから当てはめればOKです。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え900万円以下23%636,000円
900万円を超え1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円以下45%4,796,000円

事業が前年の利益と大幅に違うときは注意

個人事業主の場合、サラリーマンと違っていくら利益が出るか出ないのか予測出来ない方もいるかと思います。

サラリーマンであれば毎年同じか少し収入が増えると簡単に予測できるので去年の源泉徴収票で限度額を計算しても問題にはなりません。

しかし、個人事業主の方で「今年の利益は去年の半分くらいになりそう」という場合は、去年の確定申告書をもとに限度額を計算すると大変なことになりかねません。

ふるさと納税は、寄附をした年の確定申告で控除するので、寄附した年の利益をもとに計算する必要があります。

もし、前年の利益と大きく変わりそうだというときは、予測の利益をもとに(厳しめに見積もって)限度額の計算しておくと、必要以上の寄附をしてしまったということを防げます。

個人事業主(自営業)のふるさと納税の手続き

個人事業主・自営業の方は基本的に毎年確定申告をして1年間の所得税を納めますよね。

ふるさと納税をした場合についても、この確定申告で手続きをすることになります。

ふるさと納税はワンストップ特例という手続き方法もあるのですが、こちらは下記の要件を満たした人だけ使える制度になっています。

  • 寄付をした年の所得について確定申告の必要がない
  • ふるさと納税の寄付先の自治体が5つまで

個人事業主の方は基本的に確定申告が必要な方になるので、ワンストップ特例は使えません。

ちなみに、業種にもよるのですが、個人事業主・自営業の方はふるさと納税をして確定申告をしても所得税が還付にならない可能性が高いです。

その理由は、源泉徴収という仕組みにあります。

サラリーマンは給与から天引きされて年末調整で還付されるくらい所得税を前払いしています。

一方、個人事業主の方は予定納税をしていても前年かかった所得税の3分の2程度しか税金を前払いしていないので確定申告では寄附金控除をして計算した残りの所得税を支払うことのほうが多いのです。

まとめ

そもそもですが、個人事業主の方は所得税の計算が複雑なのでふるさと納税サイトのシミュレーションで限度額を計算できなかったりします。

ですが、個人事業主・自営業の方でもふるさと納税は利用できます。

限度額の計算は仕組みとしてはサラリーマンの方と同じです。

注意すべきは、前年と大きく利益が変わりそうなときは、前年の確定申告書の数字を使ってシミュレーションするのではなく、今年の利益をある程度予測した(厳しめに見積もった)数字を使ってシミュレーションをしましょう。

個人事業主の方がふるさと納税をしたら確定申告をしましょう。ワンストップ特例は使えないので注意です。